第４回：公務員の年齢制限

ちょっと待って！

まずは公務員の年齢制限の仕組みについて説明するね。

大まかに言えばそうだけど、本当はもう少し複雑なんだよ。順を追ってきちんと説明するからまずは聞いてほしい。

はいはい、わかりました。

（どっちが先生かわからなくなってきたな・・・）

はい！（返事は１回）

ではこのリストを見てほしい。

そうなんだよ。前回は簡単に説明するために受験者の多い試験に絞ったんだけど、実は公務員になるための試験は他にもたくさんある。

まあまあ、これから説明するから慌てないでよ。

はいはい、わかりました。

アッ！はい、わかりました。

まずは高校卒業程度の試験だけど・・・

まあまあ。

一口に高校卒業程度の試験といっても、主な国家公務員試験だけでこんなにあるんだよ。厳密に言えば他にもまだある。

実は人事院の実施する高校卒業程度の試験には年齢制限という概念はないんだ。たとえば平成30年度国家一般職高卒者試験の年齢要件にはこう書かれてる。

その通り！留学などで高校卒業が同級生より１年遅れれば、受験可能年齢も１年上がることになる。

制度上、そういうことになるね。でも25歳で高校生はそういないと思うけど・・・

（そういう問題ではないんだが・・・）

続けるね。

先ほど挙げた国家一般職の高卒者試験は高校卒業後２年がタイムリミットだったけど、「税務職員」は３年、「入国警備官」や「皇宮護衛官」は５年だ。これなら大学を卒業しても受験できることになる。

そうだね。あと、人事院の実施する試験の中で「刑務官」だけは年齢上限が設定されているけど、それでも29歳まで受けられる。大卒程度の国家公務員の上限と１歳しか変わらない。

まあ、そういうことになるかな。刑務官には大学卒業程度の区分がないから、年齢制限に幅を持たせてるんだろう。

刑務所の看守のことだよ。

裁判所は国家一般職と制限が同じで、衆議院は年齢上限をオーバーしてる。それに国会職員は採用数が少ないから倍率も高いよ。だいたい100倍ぐらいの倍率だ。

1000人ぐらい応募して最終合格者が10人ぐらい。

地方公務員は自治体によって異なるけど、概ね21歳ぐらいに上限を設定しているところが多い。理由は前にも言ったよね？

まあ、そうだね。

結局、試験は難しいけど大卒程度の公務員を狙ったほうが無難な気がするな。

概ね、それぐらいだね。国家公務員は平成24年度から試験種問わず30歳を上限に設定した。それまでは試験種によってバラバラだった。地方公務員は今でも自治体によってバラバラだね。25歳から35歳と幅がある。まれに上限なしのところもある。

最近は減ってきている。上限を上げてるところが多いからね。

今なら８～９割の自治体は年齢制限に引っかからないと思うよ。都道府県と政令指定都市なら全て受験可能だ。

ちょっと待って！大卒程度の試験は高卒程度と違って専門科目が出題されるんだよ。

そう。「行政」や「事務」といった区分で受験するなら法律や経済が出題される。しかも科目も多い。心理や福祉や技術で受験すると、もっと専門的な科目が出題される。

わかったわかった。では公務員試験の内容について詳しく説明しよう。

はいっ！